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竹本 宏輝; 堀内 昶*; 小野 章*
JAERI-Research 2000-027, 28 Pages, 2000/05
B(ホウ素)アイソトープは中性子数の増加に伴い、クラスター構造が発達すると理論的に予想されているが、まだ、実験的には確認に至っていない。そこで、反対称化分子動力学を用いて、BのHe-Li的なクラスター構造を反映したフラグメント生成機構について調べ、Bのクラスター構造を検証する新しい実験的手法を提案するとともに、そのために必要な実験条件を明らかにした。このBのクラスター構造はHeとLiアイソトープの同時生成として、重イオン反応に反映されるが、その反応機構は入射エネルギー依存する。入射エネルギーが35MeV/nucleon前後のNを標的核とした重イオン反応ではBのクラスター構造はHeとLiアイソトープへの同時崩壊という形で反映され、入射エネルギーが増加するにつれ、このような反応機構は見られなくなる。このような入射エネルギー依存性は、標的核が及ぼす平均場の効果と二核子衝突の効果の競合によって説明できる。基本的には、標的核からの平均場の効果はBをクラスター崩壊される方向に働き、二核子衝突はBのクラスター構造を壊す方向に働く。また、低エネルギー領域では、Bの中性子過剰性のために陽子移行反応を伴った機構が現れるために、Liアイソトープの生成に占めるBのHeとLiアイソトープへのクラスター崩壊の割合は減少する。したがって、これらの結果から、Bのクラスター構造を実験的にHeとLiの同時計測から検証するためには、入射エネルギーが~30MeV/nucleon、標的核は質量数の大きなものを用いるのが、最適な実験条件であるとの結論に達した。